宇祖田都子の短歌の話

森羅万象を三十一音に

令和三年十一月自選短歌五首

金目鯛おいしいですと昨年の自分が書いたハガキを隠す

『 自由詠 』

普通ならクロワッサンのはずだけど普通じゃないからクイニーアマン

『 普通 』

僕たちは大きく失速した光だから身体はこんなに遅い

『 速 』

ほぼ皆既月食を見た夕食の前に菓子パン三個も食べた

私(わたくし)の六十兆個の細胞が多数決して決めたデザート

『 私 』