宇祖田都子の短歌の話

森羅万象を三十一音に

#CD短歌夏フェス2022 sideB 宇祖田都子自作まとめ

sideAにつづきまして、こちらでは、自作をまとめました。

2022年8月6日は熱いフェスでした。

わたしの出演順は23時から23時4分。
この持ち時間240秒のなかで、12個のツイートを用意していたわたしは、20秒に1ツイートするべく、コピペと画像添付のマシンと化して、指がつるほどツイートを繰り返しました。
なので、ステージを完遂できたことに満足を感じています。

観客としては、20時から0時30分まで、途中、洗濯や皿洗いなどをしながらもスマホを更新しつづけ、本編のTLの邪魔になるかしらと気にしながらも、素敵な短歌をリツイートして、それはもう楽しい夏の一時でした。(リツイートした短歌の紹介をsideAで紹介いたしました)
時はまさに立秋前日という、まさに夏の終りの一大イベント。50人が次々に登壇するTLは圧巻でした。

それではまずは、わたしのオープニングコメントから。

【♪】
河岸景都@kate_kawagishi 様
ありがとうございました。
夏の夜 盛り上がってますね!
さてここからは、宇祖田都子のステージです
フェスもいよいよラストスパート
みなさん。まだまだ声出していけますかっ
さいごまで楽しんでいきましょう
※この画像はセトリリストです
#CD短歌夏フェス2022

セットリスト

中盤のMCで少し話していますが、今回の短歌はすべて、スマホアプリの「マンダラート」と「Mindomo」を使用しました。
まず、「マンダラート」で、短歌にもちいる言葉を集めます。主宰が泳二様なので、メインテーマを「泳」に設定し、そこからまず八個のワードを出します。続いて、その八個それぞれを中心にすえて、さらに八個ずつワードを出したものが、セットリストになります。

この中から、五・七・五・七・七 の五つの節それぞれに用いる言葉を適当に選んだら、それを、マインドマップアプリ「Mindomo」へ記入して、そこで語順や助詞などをごにょごにょして、ぎりぎり意味が通るようにし、かつ「詩情」が生まれるものを目指して作成します。

 

usodamiyako.hatenablog.com

 

【♪】01

委員長それは遠投する玩具泳がせようとすればパニック

【♪】02

駅長に沈没船を任せきり逆光に鎮まるアドバルーン

任す

【♪】03

荷を下ろす渚に人の流れ止み青い鼓動のカウントダウン

人の流れ

【♪】04

進化とは七つの空に浮かぶ歌グレートウォールを超えた信頼

浮かぶ

【♪】MC

宇祖田都子のステージ
楽しんでいただけてたら、うれしいです
今日の歌は全て、マンダラートとマインドマップのアプリを使って、午後にスタバで作りました。
それではライブに戻ります。
盛り上がっていきましょう

わたしがこの方法を採るようになったのは、再三書いているとおもいますが、島田修二さんの「言葉へのあこがれを持つ」の言葉

何かを言おうとするのではなく何かを伝えようとするのでもない。とにかく五つの詩を書くのだと思うことです。(・・・)ひとりよがりにならないで、とに角、意味を通す工夫をしてみてください。(・・・)

を実践しようと思ってのことです。なので、マンダラートの中から一首に使う言葉を選ぶときは、なるべく関連性の低い言葉を選ぶように心がけます。名詞・動詞・形容詞などの配分がうまくいかなければ、選び直すこともあります。
もっとも難しいのは「意味を通す」というところで、これを「散文」でとらえては短歌の意味がありません。ひとりよがり、ではないということは、散文的にとらえられなくもない、ということです。でも「何かを言おうとする」「何かを伝えようとする」という態度は否定されています。作者の言いたい事や伝えたい事、を伝えために言葉を用いるのが散文なら、あらかじめそういう事が決まっていない。定まっていないものが、言葉を並べることによって、顕れてくる、というところを期待しているのです。なかなか、難しい詩境ですが、とても楽しいところです。
 あ、おしゃべりが過ぎました。まとめに戻ります。

【♪】05

自動的にワープと叫ぶ無声音賛成すれば遊んでられる

遊ぶ

【♪】06

ため息は重力に似た浮遊霊温度差からは逃げるしかない

【♪】07

遠くまで真空だから預けとく気性の荒い流体力学

遠く

【♪】08

長期休暇は宇宙まで逃げるためきっと嫉妬は現実逃避

宇宙

【♪】09

呼吸法押し付けられてラピュタまで旅路は海をリプレイさせる

【♪】エンディング

宇祖田都子のステージ、いかがでしたしょうか
眠くなってしまった、としたらごめんなさい
でもわたしは参加できたこと
この夏のとてもよい想い出になりました

つづきまして
みそのみそ@mis0no 様のステージです
それでは、どうぞ(拍手)

というわけで、わたしは出演を終えてほっと一息ついたわけです。今回つくった短歌はどれも気にいっていて、今後はマンダラートの段階でのワード出しを多様にすることと、一首五語選択を、なるべくランダムに取り出す工夫(番号をふってサイコロなど)をしてみたいです。これはとてもAI的な作業になるようにも思われますが、潜在意識に働きかける自由連想を用いているという点で、シュールレアリズムの流れを汲み、かつ偶然にたよる神経衰弱方式をミックスすることで「縁」のようなものも関与できるしくみではないかと悦に入っています。

平凡な言葉を平凡にならべてみたことのない景色を著せたらいいなと思っています。

【♪】グランドフィナーレ

川風の入る窓辺で冷麦を啜る遠くで花火があがる
宇祖田都子

240秒で12tweet=1tweet20秒。焦りました。
楽しかった。あっという間の4時間強。
夜半の風残暑に火照る掌へ
来年も是非参加したいです。
運営・スタッフのみなさま、参加者の皆様ありがとうございました。

#CD短歌夏フェス2022

暑い夏の夜。素敵でした。それではまた。