宇祖田都子の短歌の話

森羅万象を三十一音に

令和三年八月自選短歌五首

朝の窓背後の影はゆく夏のロマンスだつたはずの言霊

まるつけて提供臓器にまるつけて免許証裏にもっとまるつけて

『 許 』

オブラートおいしく進化しそこねて生活感のないワンピース

『 進 』

オルガンは建設途中自然保護団体からの差し入れは葱

『 然 』

たくさんのホットケーキを私書箱へ二階から投げ込む日曜日

『 日曜日 』