宇祖田都子の短歌の話

森羅万象を三十一音に

令和三年十月自選短歌五首

短歌って難しいなと、このごろとくに感じています。

作りたい短歌の尻尾を追いかけて 短歌に尻尾があってもいいの?

という気分の十月でした。

茶柱の立てば喜ぶ人といてラ・ムーは菊池桃子のバンド

       『 解散したバンド 』

ものすごく大きな犬が引っぱって曲がった棒の匂いに似てる

ベランダの洗濯物の影揺れて私は鍵っ子だったと思う

午前二時プラトニックが音立てて落下してくるシングルベッド

         『 プラトニック 』

濁点の距離でベッドに横たわる二人が愛を濁らせている

             『 濁点 』