宇祖田都子の短歌の話

森羅万象を三十一音に

令和三年二月自選短歌五首

アルファベットチョコは義理でも律儀にもイニシャル揃えて渡したりして

書き記す自分の名さえ新鮮な

 なにも諦めないと決めた日

缶詰の白桃が好きだった父の骨壺を溢れる頭蓋骨

コンビニのレシートにある支店名

 気にするほどのことじゃないけど

シロナガスクジラが右折するときに点く信号の矢印は白

今月も迷いに迷っていますが、いくつかは今後の指針となる短歌が創れたのではないかと思っています。

俳人の阿部完市さんや、歌人島田修二さんの言葉を座右に、目の前に熊谷守一さんの絵を置いて、これからも短歌を作っていきたいと思います。

flipperへの二十首、笹井賞への五十首など、用意していきたいと考えています