宇祖田都子の短歌の話

森羅万象を三十一音に

令和四年二月の自選短歌五首

短歌には「動き」すなわち「時(推移)」への感覚が必要なのかなとこのごろ思います。それは、気づきでも、予感でもいいのでしょう。「瞬間」だったり「ずっとそのようにあるわけではないのだろう」だったり、「もうずっとそのままなのだろう」だったり。それを「感動」というのかな、なんて思います。動きに感じ入ること。なのかな、なんて、思い始めています。

 

では、令和四年二月の自選五首をまとめます。

 

それっきり鳴かなくなったカナリアは小鳥ではない何かを帯びる
RIUMさんの#初句

 

 

予報では雪になるはずだった雨いっしょに行くはずだった高校
『 自由詠 』

 

 

小さく「ぁ」と言うくらいの感動にかけがえのない固有振動
うたの日お題復習 ぁ

 

 

老人と海老人と海と海老海老人と海老人と海
『 老 』

 

 

砂丘まで二キロの部屋に靴底の穴が砂丘を運んできます

 

以上