宇祖田都子の短歌の話

森羅万象を三十一音に

令和二年十二月 自選五首

令和二年十二月の うたの日 五選

十二月。まったく駄目だったという印象しか残っていないのですが、振り返ればそれなりに、好きな短歌を詠めていたのが、救いです。これが、わたしの十二月の自選五首です。

2020年12月03日『転』心 0 音 10

横たわり手足を伸ばしおもむろに右へ右へと転がれば外

2020年12月06日『光』心 1 音 18

光にも匂いがあって真夜中の仄かに香るジャスミンが好き

2020年12月09日『捻』心 5 音 7

感情を捻挫しました微笑むという難易度の高い着地で

2020年12月13日『テレビ』心 2 音 15

友の死をテレビニュースは二十秒報じて明日の天気は晴れと

2020年12月29日『酷』 心 2 音 8

母さんの庭 母さんの七回忌 残酷な薔薇 真っ赤な実家

うたの日以外での十二月の五選

2020年12月9日

寒いねと言えば室温二度上げる それじゃいい人止まりだよSiri

2020年12月10日

滅亡の理由の欄に「無関心」と、書かれてる星があること

2020年12月12日

だとしても好きな男に噛まれたいミツクリエナガチョウチンアンコウ

2020年12月19日

想い出は微炭酸だねいつかこの缶のしるこも微炭酸だね

2020年12月20日

真ん中を進むのだろうこの先が下り続ける道だとしても

「短歌」に悩む、なんて考えてみればとても幸せなことですよね。自分の心情をを、なるべく少なく記して伝えたい、を目指して、めげずに作っていこうと思います。