宇祖田都子の短歌の話

森羅万象を三十一音に

たにゆめ杯3 のこと 

2022年6月26日(日)正午 たにゆめ杯3 の選考結果が公開されました。 t.co たにゆめ杯は今回で3回目。わたしの応募も3回目です。(過去二回分につきましてはこちらのブログでとりあげておりますので、よろしければご笑覧下さい) usodamiyako.hate…

令和四年五月の自選短歌五首

どんなとき、短歌を作りたくなるの? これも短歌になってしまうの? 宇祖田都子です。 5月は、わりと好きな短歌が作れたような気がしていたのです。 とくに、RIUM@R__l__U__M さんからいただく#初句 や #連想短歌 に助けられていると感じています。 自発的…

令和四年四月の自選短歌五首

このところ少しだけ、好きな短歌を作ることができるようになってきました。 兵庫ユカさんや、野村日魚子さんの歌を繰り返しよみながら短歌を作っています。 振り返ってみると、うたの日 RIUMさん @R__l__U__M の#初句 や #連想短歌 が、とても励みになってい…

屋上獏部 Ⅵ・Ⅶ

わたしが、勝手に『屋上獏部』を投稿する場所にしている千原こはぎ様 @kohagi_tw の「うたそら」第8号の締め切りが近づいてきました。 【短歌誌「うたそら」第8号】〆切まで半月となりました✈️募集:8首連作・テーマ詠「新」・一首評〆切:4月30日 24時(…

令和四年三月の自選短歌五首

わたくしがあなたの事件になったならわたくしはもういなくてもいい なんて思いました。わたしは、目に留めて下さった方の事件になるような短歌を作りたいな、なんて。そうして、言葉から意味を解き放つような短歌を、と。まだまだ全然なんですけどね。 それ…

令和四年二月の自選短歌五首

短歌には「動き」すなわち「時(推移)」への感覚が必要なのかなとこのごろ思います。それは、気づきでも、予感でもいいのでしょう。「瞬間」だったり「ずっとそのようにあるわけではないのだろう」だったり、「もうずっとそのままなのだろう」だったり。そ…

連作 靴底の破れた靴を履いている夢

――ぼんやりとした夢ならば幾重にも嘘をつかずにお話できて 2022.2,26 靴底の破れた靴を履いている夢から覚めて作った短歌をまとめました。 靴底の破れた靴を連作の如く履いてる夢ばかり見る 大切な人を救ってお姫様抱っこする靴底には穴が 高々と積み上げた…

屋上獏部 Ⅳ・Ⅴ

はじめに 『うたそら』という千原こはぎさんが主宰の各月発行の短歌誌の、8首連作の募集のコーナーにて、『屋上獏部』というタイトルの短歌を、毎回投稿しています。 2022年3月初旬に第7号の発行が告知されています。一周年、おめでとうございます。 kohag…

#短詩の風 2022年2月19日 22時22分

#短詩の風 は泳二さん(@Ejshimada)による、twitterのイベントです。 告知 · 2月6日【告知】『短詩の風2022』を開催します。2月19日(土)22時22分にハッシュタグ #短詩の風 をつけて短詩をツイートしてください。短歌俳句川柳都々逸散文詩漢詩なんでもOK。…

令和四年一月の自選短歌五首

短歌の投稿サイト「うたの日」へ参加していて、この間「デビュー2年!」というメッセージが出てきました。まだ、2年なんだなって、不思議な気分になりました。一日、一日はあっと言う間で、一週間なんて信じられないスピードで巡っているけれど、そんな風に…

令和三年十二月の自選短歌五首

好きな短歌が詠めるようになりたいな。 ということで、遅ればせながら令和三年十二月の自選短歌五首です。 好きな短歌を五首選ぶのにさえ四苦八苦するほどに、短歌にならない今日この頃です。 12月5日あんまんにあたためられていた手からあんまんをあたため…

#大晦日108首チヤレンジ と ブログの引っ越し

あけましておめでとうございます。 Hatena Blogでは初めまして。宇祖田都子(うそだみやこ)です。 短歌のブログを書いています。引っ越しは二回目です。 始めはnoteに間借りをするところから始め、独立したのがg.o.a.tというブログだったのですけれど、そち…

『想い出に観覧車』たにゆめ杯2応募作

たにゆめ杯2応募短歌連作『想い出に観覧車』について 結果は、落選でしたが作る過程がとても楽しい連作になりました。 連作のおおまかな構成の考えかたには「経時性」と「共時性」があると思います。「経時性」は因果(ストーリー)で、「共時性」は縁起(…

令和三年十一月自選短歌五首

金目鯛おいしいですと昨年の自分が書いたハガキを隠す 『 自由詠 』 普通ならクロワッサンのはずだけど普通じゃないからクイニーアマン 『 普通 』 僕たちは大きく失速した光だから身体はこんなに遅い 『 速 』 ほぼ皆既月食を見た夕食の前に菓子パン三個も…

煩悩短歌推敲指南 五

KISARAGIというメルマガに連載している内容をまとめていこうと思います。 タイトルは「煩悩短歌推敲指南」といいます。「指南」といっても、自分で自分の短歌を詠み直してみようということです。本当にもう、わたしのためだけの…… 直す短歌は、昨年…

令和三年十月自選短歌五首

短歌って難しいなと、このごろとくに感じています。 作りたい短歌の尻尾を追いかけて 短歌に尻尾があってもいいの? という気分の十月でした。 茶柱の立てば喜ぶ人といてラ・ムーは菊池桃子のバンド 『 解散したバンド 』 ものすごく大きな犬が引っぱって曲…

うたそら 第5号 2021年11月 連作の部 ひと言感想文

『うたそら』は千原こはぎさんが刊行なさっている短歌集です。 短歌|歌集『ちるとしふと』(書肆侃侃房)・『これはただの』刊行|短歌誌「うたそら」編集鳥|うたつかい編集部|鳥歌会 @torikakai|@kohagi_bot|「あいたいとせつないを足して2で割ればつま…

令和三年九月自選短歌五首

鉄棒の補助する人が体育館を出るとき使う洒落た靴べら 『 靴 』 フルートが微かに鳴っている午後を雨と未練が時折過ぎる ドクダミの茂る跡地はわたくしの思い出せない前世のように 透明なトワイライトに同棲は改行のない手紙のように 『 同棲 』 玉葱を微塵…

令和三年八月自選短歌五首

朝の窓背後の影はゆく夏のロマンスだつたはずの言霊 まるつけて提供臓器にまるつけて免許証裏にもっとまるつけて 『 許 』 オブラートおいしく進化しそこねて生活感のないワンピース 『 進 』 オルガンは建設途中自然保護団体からの差し入れは葱 『 然 』 た…

令和三年七月自選短歌五首

聞き取れた単語がレインだけなのは おそらくノアの方舟だから 『 レイン 』 放課後の静謐な夜は 白犀の角のタトゥーと孤独をかこつ 『 独 』 アリクイかナマケモノかの未来世に紛れ込ませておくアルマジロ 朝の窓背後の影はゆく夏の ロマンスだつたはずの言…

ことばをはなれるアプリ

短歌もどき twitterを始めてから、いろいろな短歌に出会う機会が格段に増えました。それはとても刺激的で、豊かな体験です。そして、それと並行して、自分が作っている短歌がつまらないと感じることも増えました。 つまらない理由は明白で、「ことば」で「説…

令和三年六月自選短歌 五首

短歌なんだから短歌を作りたいと切実に思いながら短歌ではなく散文で、文意で伝えようとしてしまう。言葉に馴れすぎているという自覚。もっと言葉の使いづらさや、意味から解き放つような話法をと思いながら未だそれがどのようなものなのかを言葉にできなず…

屋上獏部 Ⅱ・Ⅲ

うたそら(千原こはぎさん製作)は第二号・第三号と発行が続いていて、私はこちらの八首連作の部に、屋上獏部にて参加しています。 うたそら。どうか是非お手にとって読んでいただきたいです。ネプリ、ダウンロードなどはこちらのリンクからどうぞ。http://k…

令和三年五月自選短歌 五首

踊り場の窓から薔薇を投げ捨ててあなたはどうせ幸せになる (屋上獏部 ナナコへ) 母死にしあとも毎年薔薇の咲く庭を夢見る 幸せになる 『 薔薇 』 #うたの日 Yシャツのカフス部分にアイロンを押しあてるとき蠢く何か 暮れなずむどこかの星も午後六時塩とコ…

煩悩短歌推敲指南 四

KISARAGIというメルマガに連載している内容をまとめていこうと思います。 タイトルは「煩悩短歌推敲指南」といいます。「指南」といっても、自分で自分の短歌を詠み直してみようということです。本当にもう、わたしのためだけの…… 直す短歌は、昨年…

令和三年四月自選短歌五首

令和三年四月自選短歌五首 終日の座学を終えたパイプイスたたまれた後しばらく温い 『 座 』#うたの日 一筋のラインが窓に現れて受胎告知はたしかな奇跡 『 受 』 #うたの日 帰途の吾が背後は異郷ふるさとも旅の途上のまほろばなれば #異国短歌応募歌 銃・翼…

令和三年三月自選短歌五首

「小田原」を「ホニャララ?」と聞き返されたときにわたしが咥えてたもの 『 ホニャララ 』 #うたの日 一本のうどんが気炎吐きながら角を曲がっていく春の昼 『 うどん 』 #うたの日 星空のままにしておくガラス製ジグソーパズルのところどころは 約束をすっ…

煩悩短歌推敲指南 三

KISARAGIというメルマガに連載している内容をまとめていこうと思います。 タイトルは「煩悩短歌推敲指南」といいます。「指南」といっても、自分で自分の短歌を詠み直してみようということです。本当にもう、わたしのためだけの…… 直す短歌は、昨年…

#うたそら 屋上獏部 八首と、ナナコ(連作継続中)

【短歌誌「うたそら」が完成しました!】 PDF(スマホPC閲覧用、コンビニ印刷用面付け版)は以下のサイトからDLしていただけます。 http://kohagiuta.com/utasora/01/ B5サイズ/56Pの冊子となります。211名の1371首の短歌をお楽しみください 引用元:千原こ…

令和三年二月自選短歌五首

アルファベットチョコは義理でも律儀にもイニシャル揃えて渡したりして 書き記す自分の名さえ新鮮な なにも諦めないと決めた日 缶詰の白桃が好きだった父の骨壺を溢れる頭蓋骨 コンビニのレシートにある支店名 気にするほどのことじゃないけど シロナガスク…